尾瀬ヶ原は春と夏

尾瀬ヶ原を歩いてきました

野は春夏入り乱れて勢いづいています

尾瀬ヶ原

約1万年前に形成されたといわれています

高地にある盆地状の高原です

1903年 ダム計画が持ち上がり

1922年 関東水電が水利権を取得しダム建設の計画を立てます

1996年 ダム計画は消滅します

ながい戦いでした

木の根明く

春の季語です

木の周りから雪解けしてます

あく は 明くなんですね

開く としちゃいそうです

山を遠くからみると

ドット柄にみえるのは

木の根が無数に開いているからです

「こんなことも季語なんだ」

と はじめは驚きでした

知ってみると

愛着が湧きます

  木の根明く胎児はなにをみてをるや  宮坂静生

水芭蕉

尾瀬といえば

水芭蕉です

夏の季語なんですね

しろい頭巾のまとい方に

気品があります

春泥のなかを群生しています

泥のなかにとどまらず

水のなかでも咲いていました

峻烈な白と緑と黄いろがみなぎっていました

  影つねに水に流され水芭蕉  木内怜子

雪解け

春の季語です

尾瀬の群馬県側には

至仏山という山が裾野を広げています

山のふちどりは青く

くもりのそらに映えていました

雪解けがかなり進んでいます

植生保護のため

まもなく至仏山は入山が禁止されます

川のほうへ

あちこちで絶え間なく

雪がちいさく崩落します

川へ落ちる雪の音も

春の音でした

木道が現れてきました

  雪解川名山けづる響かな  前田普羅

  月光の休まず照らす雪解川  飯田龍太

薄氷

ぼひょう

と読みがちですが

うすらい(旧仮名:うすらひ)

と読みます

うすごおり

とも読みます

奥日光の湯ノ湖でみたときは

きれいに透きとおったガラスのようで

波が起こるたびに

ぎしぎし鳴っていました

尾瀬のうすらいは

雪を凍らせたしろさと翳りを孕んでいます

池(池塘)は波立ちが小さく

しずかでした

ふちどりに存在のあやしい翳りがみえます

水面にうつる雲のようにもみえます

ときには

池にすむ生きもののようにもみえます

うすらひは深山にかへる花の如  藤田湘子

薄氷の草を離るる汀(みぎは)かな  高浜虚子

薄氷の裏を舐めては金魚沈む  西東三鬼

水温む

下の写真は

平安時代のころの尾瀬です

うそです

だけどほぼ

ほんとです

平安時代も変わらぬ風景だからです

雪解け水が

直射日光にさらされて

濁りを帯びたあたたかな色合いとなりました

  汲みて知るぬるみに昔なつかしや  小林一茶

  水底に映れる影もぬるむなり  杉田久女

  水温むとも動くものなかるべし  加藤楸邨

コメント

タイトルとURLをコピーしました